第12章 私の決心と、彼の決断
国民への挨拶が終わると、続けて教会での戴冠式。膝まづいた私の頭には美しく光る王冠が載せられた。この国を、国民たちを背負う重い王冠。
目まぐるしく式が進行していく中、私はやっとふて腐れた表情で座っているマナト王子に声をかけた。
「どういうことですか?」
不機嫌にこちらをにらみ返した彼だったけれど、私の後ろに目を見開いて怯えた表情に変わる。
「俺は何も知らない、父上の意志だ」
後ろを振り返ると笑顔のリオンが立っていた。今リオンを見てあんな顔をしたの?
「ねぇ、リオン……」尋ねようとしたけれど時計にちらりと目をやったリオンに遮られる。
「女王陛下、次は貴族たちへの挨拶があります。こちらへ」