第12章 私の決心と、彼の決断
告別式から2週間が過ぎて、今日も私はリオンの入れた紅茶を口にしていた。喪が明ければ新王の戴冠式が行われ、私とレンの婚約も発表される。
最後の父との約束を守る為には立ち止まってはいられないのはわかっているけれど、心の不安は消えなかった。
「ねぇ……リオン。最後にお父様と話をした時に、迷いがあるならリオンを頼れって言われたの。私……本当にこれでいいのかな」
レンとの結婚は国を守ることになるのかな。守れるのだとしてもそれは彼を利用することにはならないのかな。
本気で私を想ってくれる彼を。
私はこれから先ずっと、レンに頼って、守られて生きていくの?
それでいいの?
病弱な母と二人で暮らしていた頃、私は自分の足で、自分の力で、未来は切り開いていくんだって思ってた。
国という大きなものを背負った今も、その気持ちは変わらない。
本当に、これが私に出来る最良の選択なの……?