第9章 どっちつかず
私が怪我をしたせいもあって、海水浴は終了し王子たちはホテルへと帰っていった。
「俺が目を離したせいだ。ごめんね」
レンはすごく心配してくれて、私を抱き上げて車まで運んでくれた。
「足がよくなったらまた会おう。次は二人きりがいいね」
そう付け加えるのは忘れずに。
次……あるんだ。恥ずかしいところを見せちゃったから、嫌われちゃったかと思った……。
別れ際のレンの表情に安堵のため息をついて、私は城へと戻ってきた。
王子たちを案内するはずが、こんなことになっちゃって情けない。今度きちんとお詫びをしなくちゃ。
幸いなことに、すぐに元通り歩けるようになるらしい。
リオンの処置は的確だったって、お医者様が行っていた。
あ、そうだ、リオンにちゃんとお礼言っておかなくちゃ。