第6章 再会
「お父様、お呼びですか」
「おお、ユイカ、こちらが隣国の王子たちじゃ。
よくご挨拶しておきなさい」
「初めまして。ユイカでございます」
深々とお辞儀をして顔を上げると、3人の男性が並んでいるのが目に飛び込んできた。
一番左が第三王子かな。まだ幼い顔立ちは私よりも年若く見える。真ん中には整った顔だけどおっとりした印象の男性。第二王子だ。そして一番右は……。
「初めまして。ユイカ姫。
第一王子のレンです。あなたにはやはり、そのドレスがよく似合う」
彼を認めて私の鼓動は機関車みたいに早くなる。必死で動揺を隠す私の手をとり、彼は膝まづいて手の甲にキスをした。
レン……。
嘘でしょっ……。
頬が染まるのが自分でわかる。
くっきりした二重瞼にシャープな顎、その下の盾と剣の紋章は――今ならはっきりと思い出せる――隣国の国紋だった。
私、ちゃんと笑えてる?
レンに会えて、本当はずっとずっと会いたくて、今この場所も忘れてしまいそうなほど嬉しくて堪らないの。
第二王子、第三王子が続けて挨拶をしたけれど、私の耳には少しも入ってこなかった。