第6章 再会
「趣味って……まさか女……装……?」
思わず声が裏返るとリオンは呆れ顔で背中を押してきた。
「まさか、……王子でもあるまいに。
さぁ、ドレスはご自分で選べますね?」
今誰って?
……ってそんなことよりドレスは選んでくれないの?
レッスン以外の時は優しいリオンだけど、時々こうして抜き打ちテストがあるのよね。
本当はこのメイクに合うドレスは彼の中で決まっているに違いないのに。
「うーーーーん」
リオンに押し込められた部屋は100種類以上のドレスで溢れていて、あまりの煌びやかさに目がチカチカしてしまう。
この中からどれか一つを選ぶなんて、しかもそれがリオンの納得いくものでなければならないなんて、私にはまるで宝探しだ。
「どれがいいかしら……。
グリーン、スカイブルー、パープル……決められない」
この部屋に入ってから数度目のため息をつく。