第4章 突き刺さる悪意
「守れなくてすみませんでした」
ゆっくりと自室のベッドに降ろされた私の上に、リオンの言葉が落ちてくる。その声がなぜだが苦しそうで、私は口を開くことが出来ない。
どうしてリオンが苦しそうなの?
約束を守れなかったから?
職務を全う出来なかったから?
一瞬泣いてしまいそうに見えたリオンの腕が背中に回り、強く抱きしめられて私は考えることを放棄した。
遅ればせながら王子たちからの暴行から抜け出せた安堵感が胸に広がり、感情が崩壊する。
もう泣かないと決めたのに、零れ落ちる感情に抗うことはできずに、ただひたすらリオンの胸で泣いた。