第2章 手紙
______お母さんはとても頭がいい。
それは過去の出来事から理解している。
私は事あることに、母のその頭脳に助けられている。
母の判断に従って失敗した、後悔したことなど一度もない。
___でも……それでも……
果たして命の駆け引きともなると私は母を切り捨てることができるのか…?
「……助けてよ……
エレン……」
ふいに出るのは彼の名前。先ほど壁外へ出たばかりの、調査兵の彼。
あぁ、私はこんなにも彼に惹かれているのか。
その日は目の縁に涙を溜めながらも私は眠りについた。
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「ごめんね……ミーティア。」
寝静まった私の部屋を覗きながら母が震える声で呟いていたことなんて
知る由もなかった。