第2章 手紙
思い立ったらすぐ行動。
私は1つの便箋を手に取り、筆を持ち、ただひたすらにエレンの生存を願いながら筆を進める。
私が考えた方法。
それは、エレンに手紙を書く。それを調査兵団本部に持っていく。
残っている兵がもしもいる場合、その人に手紙を渡し、
エレンまで渡してもらう。
私でも流石に調査兵団の立場はわかっているつもりだ。
だから、憲兵には渡さない。
せめて駐屯兵団の班長とか、そのあたりに渡すのが私の計画。
10分ほどだっただろうか
書き終えたところで部屋の扉が開いてお母さんが顔を出した。
「晩御飯が出来たよ。早くおいで。」
いつもの優しい声でそう言う。
「はーい」
そう言って立ち上がる。
今日はいつもよりなんだか豪華な気がした。
ふと、お母さんが
「もし、この街も巨人に壁を壊されたら。ミーティア、貴方だけでも必ず生き延びてね。 」
そんな悲しいこと言わないでよお母さん。
「なに言ってるの、私はお母さんも生き延びるんだよ。
もちろん、私と一緒に」
母の顔が少し曇る。
「ミーティア、走って逃げることは母さんにはできないの。
ミーティアが母さんのために命を使うより、母さんがただ一人の家族であるミーティアのために命を使いたいの。 」
話し終えると、まるで、あの日のように真剣な顔で私を見つめるから、私はうん。と頷くことしかできなかった……