第4章 買い物
「ちょ…っ」
「いっくよ〜しっかりつかまっていないと落ちるよ?」
「‼︎」
真鈴は青雉の首に腕をまわし、ぎゅっと抱き着いた。
「…っ」
青雉の心臓が大きく拍を刻み始める。
「…青雉?」
青雉はつい歩みを止めていた。
「‼︎ あ、すまねェ…行くぞ」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」
ものすごいスピードで廊下を駆けて行った。
attention‼︎
⚠︎良い子は真似しない☆
……そんなことはさておき。
二人は外へ出た。
「リンリンちゃ〜ん、生きてる?」
「お…おかげさま、で」
(青雉走るの速すぎる‼︎ 頭もげるかと思った…)
そんな真鈴の心情を知らない青雉は、とりあえず彼女を下に降ろした。
「ありがと……色々と」
「あぁ。……あ、ちょっと待った」
「?」
青雉は懐から“海軍”とプリントされた帽子を取り出した。
「一応…顔見られちゃマズいからかぶってて」
「あ、うん、ありがと」
真鈴は帽子を深くかぶった。
「さァ行くか。まずは服屋だな」
「うん」
商店街に向かう2人。
その様子をセンゴクはガープのこめかみをグリグリしながら眺めていた。
「まったく……」
「痛たたたた‼︎ 痛いぞ、センゴク‼︎」
「何もなければいいが…」
「わしのことは無視か⁉︎ …まぁアイツなら大丈夫じゃろう」
「…そうだな」
センゴクはガープから手を離し、マントを翻してその場を去った。
残されたガープは窓辺に近寄り、青雉達を見つめた。
「ふっふ〜。カップルみたいじゃのう」
2人の姿が見えなくなったところで、ガープもマントを翻して部屋を後にした。
…その頃の2人はというと。
「あっ‼︎ 青雉‼︎ あれすごい‼︎」
真鈴は広場でたまたまやっていた曲芸に目が釘付けになっていた。
「近く…行って見ていい?」
「まぁ……いっか。少しだけだぞ」
「うん‼︎」
そう言って真鈴は人だかりの中へ入っていった。
青雉は身長が馬鹿みたいに高いので、その場から曲芸を見ていた。
「…あ」
(あいつ…1人で行かせてよかったのか? )
「…いや、よくねェな。何かあったら俺責任だし…めんどくさくなるなぁ」
青雉は真鈴のあとを追いに、群衆の中へと入っていった。