第1章 儚くも美しき魂よ。
マスルールsideー
カノンの家に着き
ドアを叩く。
いつもの優しい返事はない。
そっと扉を開ける。
苦しそうに横たわるカノンがいた
冷や汗が背中を伝う
心臓が
壊れるのではないかというほど暴れだす
カノン「…マスルールさん…ホントに迎えに来てくれた…」
マス「当たり前…当たり前でしょ!」
カノン「謝肉宴に行けるのね、、私…
シンドバット様にも…ご挨拶できる…のね
ねぇ…私、もう歩けそうにないみたい…フフっ
マスルールさん、連れてって…くれます?」
カノンをそっと腕に抱き上げ
ゆっくりと歩く
カノン「今日は…ホントに幸せな、日。
マスルールさんにお姫様抱っこされて、謝肉宴にも参加できて…モルジアナちゃんにも会えるか…な
これで姉がいたらもっと最高ね…」
呼吸が細くなっていく
もう、目だってほとんど見えてないだろう
負担が少ないように歩みを早める
マス「会えるっスよ…そしてこれから皆に会って
沢山、思い出をつくるんスよ…
ほら、ついたっスよ…?俺の先輩や仲間や弟子やシン王っスよ…?
まだ、あんたお姉さんに会えてないだろ!
だからっ」
シャ「マスルー…ル」
マス「まだあんたは生きるんスよ?
これからも幸せになるんすよ?
聞いてるんスか?
全て終わったら、俺と一緒に
生きるんスよ…」
言わなくちゃ
この言葉を、言わなくちゃ
マス「愛してるんスよ…」
大粒の涙がマスルールの頬をつたう
シャ「マスルール。」
シン「…」
ジャ「マスルール」
ピス、ドラ、ヒナ、スパ「…」
モル、アリ「マスルールさん…」
アラジン「………」
ー…