第1章 小悪魔な天使
「涼介ー!起きてるー?」
私は朝食のオムレツを焼きながら、二階で寝ている弟に声をかけた。
返事がないので、まだ寝ているのだろう。
まぁ、弟の寝坊はいつものことだし、と私は朝食作りに再度取り掛かった。
すると……
「姉さん、おはよ」
「ふあっ!」
突然耳元で囁かれ、首筋にキスをされる。
弟はよくこうして私をからかうのだ。
「もー。朝からやめてよ。ほら、ご飯食べちゃって。私も学校行く支度しなきゃいけないんだから」
「んー……」
「なに?」
涼介は私をキッチンのシンクの淵に追いやり、私が逃げられないようにピッタリと体を密着させる。
くりくりの可愛い目が私を見上げ、整った顔がいたずらっぽく微笑んでいる。
見た目は天使…っていうとちょっとクサイけど、それが言い得て妙なのだから仕方が無い。
「今日学校サボろ?」
「なんでよ?」
「一日中泉姉さんとこうしてたいからだよ」
言うが早いか、涼介は私の唇に自分の唇を重ねると、激しく舌を出し入れする。
「んっ…んーっ!!んあっ…」
頭が痺れて、上手く思考が回転しない。
涼介は、スカートの中に手を入れ、私の腿を優しくさする。私はそれでまた声を漏らしてしまう。
「はっ…だっ…めぇ……」
「だめじゃないでしょ?凄くいい顔してるよ?」
こいつ…こんな顔してすることは小悪魔だな…
あ、タイトルこれにしよう。
…とまぁ、作者のアイデアは置いておき、涼介の手は胸の膨らみに差し掛かる。
「んんっ…りょ、すけ…」
「ん?ここ?」
胸の突起を弄られ、体の力が抜けて行く。
「あっ…だめだってばぁっ!」
「…そっか」
「へ?」
「じゃあやめるよ。さ、ご飯食べて学校行こ」
「え…あ、う、うん」
機嫌を損ねたかと不安になるがそういうことでもないらしい。
そして私は不完全燃焼な疼きを感じながら、涼介と家を出た。