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戦国四重奏 (戦国無双3)

第6章 story6“ぶらり、城下町”


風車を眺める彩芽はまるで子どものようだった。
そんな彩芽を見ていると自然と口角が上がってしまう。

「あ…」

何かに気付いたように彩芽がある店を見つめていた。
でも直ぐに視線を元に戻す。

彩芽の見つめていた方向には履き物屋があった。

「………」

三成は目を細めて考え、あぁ、と納得したように言葉を発した。

「三成?」

「何でもない。彩芽、折角来たのだから何か食おう」

「あ…うんっ」

何かを考えていたような三成が気になったが、三成の提案に彩芽はすぐにそんな事は忘れてしまった。

茶店に入った二人は桜餅を注文し食べることにした。

「春の味って気がする…ふふっ」

桜餅を頬張りながら彩芽は嬉しそうに笑った。

「何だそれは…あ」

「え?」


ふと、三成は彩芽の口元に手を伸ばし親指で拭った。

「餡が…付いてた。子どもか、馬鹿…」

「ごめんって…三成っ…////」

親指で拭った餡を三成はそのまま舐める。
驚いた彩芽は赤くなり、慌てて三成の名を呼んだ。

「やはり…ここの餡は旨いな」

「…もう……////」

しれっと言いのけた三成に彩芽は頬を膨らませていた。

それから、二人は他の店も見て回った。
店に入る度に新鮮な表情をみせる彩芽を見て、三成もまた楽しんでいるようだった。


(くるくると、よく変わるものだ)


彩芽を見つめ、三成はそう思っていた。
笑う顔、驚く顔、恥じる顔。
このまま腕を引いて抱き締めたら、どんな顔を見せるのだろうか。


「もうそろそろ…日暮れだね、戻ろうか」

「…あぁ、そうだな」

振り向いた彩芽の言葉に三成は頷いた。

「彩芽、先に馬番の所へ行ってくれ。買い忘れた物がある」

「うん、…でも一緒に行こうか?」

「いや、一人で構わない。馬はわかるな?」
「うん」

彩芽を先に馬の所へ帰すと三成はある店の前まで戻って来た。
そして、買い物を済ませると急いで彩芽の所へと戻った。

「三成、早かったね」

「あぁ」

三成は短く返事をするとして馬に跨がる。

夕日で空が赤く染まる頃、二人は大阪城へと戻ったのだった。
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