第11章 モテル
「知ってるよ。」
勝利くんは言った。
「じゃあ、なんで・・・。」
「瑠奈には手伝ってもらったんだよ。瑠奈は俺のこと好きで告白してきた。でも、断った。」
「勝利くん、私が全部説明するよ。」
私は勝利くんに言った。
「勝利くんは先輩のことをずっと好きだったんです。先輩は勝利くんに告白してこないから私がその手伝いをしたんです。で、この前、勝利くんと久しぶりに会って、勝利くんは私が気づく前に好きな人がいると気づいたみたいだから、手伝ってくれたんです。」
「・・・。」
「でも、よかったです。先輩が勝利くんに告ってくれて。」
「・・・。」
「勝利くんも、そろそろ先輩のこと久しぶりに名前で呼んだら?」
先輩の名前は美樹。昔は先輩は勝利と呼んでいたけど。いつからか勝利くんと言うようになっていたらしい。
「美樹、好きだよ。」
勝利くんは先輩に抱きついた。
私はこっそり家に帰った。
次の日・・・
私は学校に行くと保健室に向かった。
「先生、今日一日・・保健室にいていいですか?」
「いいわよ。」
私はイスに座った。
勝利くんと先輩のよりが戻ったのはいいけど・・・。
宏光・・・。
私はあの時『別れよう。』なんて言わなければよかった。
もう・・。
もとに、戻ることはないよね・・・。
「しつれいしまーす。」
ドアの方には宏光と一緒にいた女子が二人いた。
女子はソフャーの所に座った。
「昨日ね、宏光。私に抱きついてきたのー。」
「私は手握って帰ったよー。」
女子は宏光のことを話していた。
そうだよね・・。
実際、宏光は私のことなんて何とも思ってないよね・・。
私が・・・。
バカだったんだ・・・。
いけなかったんだ・・・。