第8章 思い出せない・・そして現実
私は目をつぶった。北山くんはこう言った。
「瑠奈、ごめんな。俺があんな態度とらなければ・・・。」
私はその言葉で目を開けてしまった。
「どういうこと?」
北山くんに聞いた。
「起きてたの?」
「うん。北山くんがキスしたところから。」
「・・・。」
「どうして、キスしたの。」
「ごめん、俺帰る。」
北山くんは出て行った。
次の日の朝、太輔が来た。
「瑠奈、学校行こう。」
「うん。」
学校に着くと藍が「大丈夫?」と聞いてきた。
「うん。」
昼休みになると太輔と藍とミノちゃんと玉森くんと話した。
「太輔、少しだけでいいから教えて。」
「わかったよ。」
「お前はある奴のせいで屋上から飛び降りた。これだけでどうだ。」
「・・・。」
「瑠奈、無理に思い出そうとしないで。」
藍はそう言ってくれたけど、思い出さなければいけないような気がした。
とても大切なことだと思ったから・・・。