第8章 思い出せない・・そして現実
「北山くんって・・・どんな人?」
「・・・忘れたの?」
「うん。」
「じゃあ、佐藤君と篠塚さんと玉森くんと藤ヶ谷くんは?」
「覚えてる。」
「やっぱり、私からは言えない。自分で思い出すことだね。」
北山くんのことを思い出そうとすると、頭が痛くなる。
「でもね、無理に思い出そうとしなくていいんだよ。辛くなるだけだよ。」
「ありがとう。」
「でもね、一つ言えることならあるよ。藤ヶ谷くんは瑠奈ちゃんをいつも助けてくれた。宏光と瑠奈ちゃんの関係が悪くなった時も。」
そうして、ミノちゃんは帰った。
私はとても眠くて・・そのまま寝てしまった。
少しの時間がたつと、唇に温かい感触がした。
少し目を開けると、北山くんが私にキスをしていた。