第3章 雨でも晴れでも傘はいる
ザーーーーーーーーーー
少し道をゆけばそこにはあふれんばかりの人間がいた。
何かあったのかな?
少し興味はあったけど、まずは阿伏兎を探さなきゃね
阿伏兎のやつおこしもしないで勝手に行っちゃうなんて、あとでお仕置きかな
ドンッ
乱暴に
「おいにーちゃんちゃんと前見てあるこうぜ?」
肩に何かが当たる、昨日よりは強く。
なめた態度の男が俺に話しかけているけど、こいつ馬鹿だね
「…へぇ、俺にあたったくせに謝れないの?」
そう言って傘から顔をだすと
俺の殺気とやらに男は顔色を変えた。
「すっすまねぇ!許してくれ!」
「あり?さっきまでの態度はどうしたんだい?」
土下座に近い体制の男に、俺はニコニコと笑う。
「…!!」
ぶしゃぁああ
俺に逆らう奴はどんなやつだろうといらない。
目の前の男は首から血を吹き出すと、バタリと倒れた。
「ほんと、地球産の人間はよわいなぁ」
沢山の人が俺を見つける前に、俺はその場をすぐ去った。
地球にはお巡りさんがいるらしいからね。
あれ?雨が弱くなったな
殺した人間に対して罪悪感も後悔も同情もしたことはないのだけれど、俺は冷たいのかな?
まぁ冷たいと言われてもどうでもいいんだけど。
そんなことを考えながら、俺はしとしとと降り注ぐ静かな雨の中を歩いた。