第3章 雨でも晴れでも傘はいる
なんだっけ?この匂い
あぁ…雨か、
部屋にいたのにいつもと違う匂いがして違和感
「ふぁ…」
欠伸をしてあたりを見回すと部下の阿伏兎の姿はなくて
ひとりジメジメした部屋でぼーっとする
昨日も雨だったなぁ、まぁ俺は夜兎だし光とは仲良くできないから雨はきらいじゃない
だけど、雨も晴れも好きじゃない
雨は湿気が気持ち悪いし
晴れは苦しくなるし
夜兎は戦う時も傘を振り回す
俺達の種族は傘とは縁を切れないようだね。
「…。」
そういえば、昨日も雨だったな
確か…変な女にあったんだっけ?
何だったんだろう、
今地球には仕事で来ている
何人殺したかな
まぁ、どうでもいいや
でも俺が道でぶつかってきた奴を殺さなかったのは自分でもびっくりしたのだけれど。
頭からはなれないわけではないけれど、ふ、と。あの女のずぶ濡れな怯えた顔が浮かぶんだ。
もう一度会いたい。なんてね
俺は女には興味はないよ、強い子が産めそうな奴はべつとして、ね
それから少しして用意をすると
今日も今日とて傘をさす。