第14章 なくした傘
「ふむ。それで、名前は?」
「え、えっと…です…」
目の前に座っている偉そうな男の人?は
私に名前を聞くとなめまわすように私を見ました
「ほう、か、」
「あほ…じゃない、阿保提督、あんまり見ないでもらえますか?連れてきてといったから連れてきたんですよ、もう見たからいいでしょう?」
神威さんはニコニコと、提督?に話しています
「あ、、お腹すいてるんだよね、食べてね」
固まっている私に神威さんはチラッとこちらを見て
目の前の大きなテーブルに置いてあるたくさんの食べ物を指差した。
「はっはい…いただきます」
とわいっても、お偉いさんの前では食べにくく、
二人の話を聞くだけだった。
「おなかすいてないのかい?」
「はい」
「そっか」
「とやらは、神威と結婚する気があるのか」
「へっ?!」
「ありますよ」
突然の意味不明な質問に、神威さんがにこにこ笑顔で答えました。
結婚…?!なんのことでしょう
「神威には聞いていない」
すると提督は少し真剣な顔をして、声をきつくした。
「あるよね?」
張り付いた笑顔の後、どうしようと考えた一瞬で
太ももにものすごい痛みが走る。
つねられている。
肉がちぎれてしまうのではないかというほど痛くて
顔がこわばった。
「っ…ひっ!」
「ん?どうした?」
提督は不思議そうに私を見る。
神威さんはニコニコと私を見る。
「あっ…あります…」
こう言わないと私はきっと殺されているだろう。
「ふむ、そうか」
「ね?提督。わかったでしょう、もう今日は帰らせてください。」
「よかろう、ではまただ」
「はい」
ニコニコと、神威さんは笑うと
私を抱き抱えて、部屋を後にした。