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君の瞳に映る傘【神威】

第14章 なくした傘


部屋に着くと神威さんは私をベットにおろし、私の目をみながら言う
帰る時もだっこしてくださいましたしとても優しいです

「けっ結婚って」

「合わせてるだけでいい」

「はい…」

「本当にはしないし心配しなくていいよ」

「はい」

何か困ることがあるのでしょう
まっすぐな瞳に少し見とれてしまう

「何」

視界か狭いのでこっそり見つめているつもりでも
神威さんにとっては正面からガン見してくる変な女。と思われていて気だるそうにいわれます。

「あっ、すいません…!」

「....」

慌てて謝ると、神威さんは少し黙り
そのあと手をついて顔を近付けてきました

「えっ?」

驚いて後ずさりしようと手を突くと
あっと思ったがそれは少しだけ遅くて
ものすごい痛みに顔が歪む

「ばかだね、アンタ」

腕に目を向けていたので、振り返った時には見えなかったが
神威さんは笑っていたような気がします

「すいません」

「なんで謝るの」

そういってまた笑うと、ヒビが入った手を掴み
自分の方へと引きつけた

「ひっ」

「痛いね?こんなことした俺が憎い?大切な人たちから引き離して腕まで怪我させられて結婚とかいって、憎いかい?」

そういって見つめる青い瞳が揺れて
切なそうに笑うものだからなぜか心がキュッとなった

「わ、私は…人と関わったことがないのであまりわかりません」

なんて、普通に考えればひどい事なのに
少し嘘をついてしまいました
だけどほんとに、どの位ひどいことかは
わからないから

「そっか…」

すると神威さんは小さく笑い
私の腕をなでた

「...?」

「これ、痛い?」

「いいえ」

神威さんは頑張った顔?で私の腕を見つめてぎこちなく私の腕をなで続ける。

「…このくらいの強さじゃないと、人間は痛いんだね」

「....」

そういうと、手を止めて
私の顔をまた見つめた。今度は真顔で

「俺は力が強いから、こうして意識しないと優しくできない。何がいいたいかわかる?…つまり、俺にさからうとすぐに殺されるってことだ、いくらでもアンタを傷つけられる。覚えておくんだよ」

その瞳に色はなく
私は怖くてたまらなかった

「はっはい」

「いいこ」

またいつもの笑顔に戻ると、
さっきの言葉を忘れてしまいそうになる。

どうしてあんなに、冷たい顔をしていたんでしょうか。

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