第13章 傘の話し
「あ」
自分の部屋に女を残し、廊下を歩いて思い出す。
「鍵…」
しめるの忘れてた。
中からあけれないやつをつけないとね
逃げられたら困るよ。
もしかしたらもう遅いかな、まぁいいや。
その時はお仕置きするし、この船はもう空の上
逃げられやしないんだから。
…とは言ってもやっぱり少し心配だから
俺は少し早く歩いた。
早く用事を済ませよう。
コンコンコン
ノックを3回、少しして返ってくる声。
「はいれ」
「失礼します」
返事をもらい挨拶をして部屋に入った
ここは提督のいる部屋だ
「どうした神威」
「こんにちはあほ…じゃない。阿保提督。ただ今帰りました」
「……うむ、早かったなご苦労であった」
「あの、許嫁の話ですが」
「おぉ神威、もちろん会ってくれるな?」
「いいえそれはできません」
にこにこと笑ってそういうと、アホはきょとんとした顔になる。
「なぜだ神威」
「俺はちゃんと好きな人がいるので」
「っ…?!そうだったのか、だがもうあさってくると決まっているのだ…」
「会いませんよー」
へらっとそういうと、アホは俺に封筒を渡してきた。悪い顔で。
「これで…頼む」
「お金に困ってると思います?俺が」
「…なっ」
やっぱり俺の許嫁になりたい奴はお偉いとこの子みたいだ
アホのアホな顔を横目に、俺は部屋を出ようとする。
「…」
「待て神威!」
「なんですか」
殺気の満ちた顔で振り向くと、アホは顔を青くした。
「そっその好きな人とやらを連れてまいれ!!」
「わかりましたよ、あとできます」
カンカンになって、青かった顔を赤く変えて怒鳴るアホに軽く返事をして、
俺はその部屋を出た。