第9章 傘の少女
「あー眠たい。おなか空いたよ阿伏兎」
「団長、あそこの店行くか?」
阿伏兎が指さしたのは大きな食堂。
あの女を探してもう2日が立つ。
今日も朝から探しているのにまだ見つからない。
もしかしたらこのへんには住んでないのかな、なんて
そんなことをしているともうお昼になっていた。
「美味しいの?」
「云業が昔来たことがあるらしい。江戸じゃ、有名みたいだぜ」
「へぇ、あいつ、一人でいいもの食べてたんだね」
「そうだな」
「さぁ、行こうよ」
ニコニコと笑うと傘をたたんで、俺達は食堂へ入った。
もぐもぐもぐ、地球のご飯は本当に美味しい。
なんでこんなに美味しいんだろう
周りの奴らが俺たちの食べっぷりに驚いているけど関係ないや、俺は満足するまで食べた
「はぁーごちそーさまでしたー!」
手を合わせ挨拶すると、周りの奴らは目を丸くして口をアケている。そんなにびっくりしなくても、夜兎だからね、俺。
「さっ阿伏兎いこー♪」
「おいおい支払いはまた俺かぁー?かんべんしてくれよこのすっとこどっこい」
阿伏兎がなにか言ってるけど知らないや、
さぁ、今日中に見つけよう。
今日は天気が良い、見つけやすいだろう
少し苦しいけどね。