第3章 1年O組
1年O組。
真鈴の所属するクラスだ。
「おはよー」
挨拶しながら扉を開ける。
「おはよ〜っ‼︎ リンリンちゃん♡」
「うわっ‼︎」
いきなり誰かが抱きついてきた。
「…あ、なんだ、ミシュアか」
「へへ…おはよ、真鈴」
ミシュア。
真鈴とローの幼馴染。
この子は普通の女の子だ。
…フランス出身で日本育ちという肩書きを持ってはいるが。
髪はクリーム色をしている。
(イメージはジ○リのマー○ーの髪色っぽい)
「教室は余裕で間に合う時間に来たね〜」
「あー…うん、たまには、ね?」
真鈴はいつも朝礼ギリギリの時間に登校する。
…朝に弱いのだ。
「たまたま目ェ覚めたのが早くてさ。」
「め、珍し…」
「何さ?(怒)」
「な、なんにもー‼︎」
目を逸らしながらミシュアは笑う。
「真鈴ちゅわぁ〜ん‼︎ ミシュアちゅわぁ〜ん‼︎ おはよ〜‼︎」
「お、おはよ…。相変わらず朝からテンション高いな…」
「サンジ君おはよ〜」
テンションMAXで話しかけて来たこの男、サンジ。
能力者ではないが、身体能力がずば抜けている。
「だって朝から真鈴ちゅわんにお話しぶべらっ‼︎」
横から筆箱が飛んでき、サンジの頬にクリーンヒットした。
「痛ェ⁉︎ 誰だ⁉︎」
「俺だ。…朝っぱらからうるせェんだよ…少し黙れ。」
そう言って持っていた本に目を戻したこの男、トラファルガー・ロー。
こいつは“オペオペの実”の能力者。
プラス、真鈴の幼馴染。
「んだとぉ…この梅干し嫌いめ…」
…そして、梅干しが嫌い。
「そんなこと、今関係ねェだろ。」
「っあ”〜…サバサバしやがって…」
「はいはい終わりー。ほらサンジ、外に美女が」
「なんだってー⁉︎ 男サンジ、今行きまーす‼︎」
目がハートになり、砂煙をあげながら外へ駆け出していった。
「本当に女好きねェ…」
「本当。…あ、ロー。何読んでるの?」
「…医学書。」
ローの机には、分厚い本が何冊も積み上がっていた。
「さすがだね…ローは。」
「お前も読むか?」
「んー……いいの?」
「あァ。」
ミシュアはそーっと2人の邪魔にならないように、他の友達の元へ退散した。