第6章 五章「手作りチョコレートと言い張るなら、カカオから」
「じゃあ、今ので興奮したし、一発抜いて寝るか!」
「言わなくていいです」
どうやらみんなが寝てしまった頃、インターホンが鳴った。
「はーい」
「宅配です」
それは女性の声だ。
モニターで確認してみるが、その女性はつなぎを着ているが、荷物を持っていない。
どう見ても怪しい。私は鏡で男装がきちんとできているかを確認すると、ドアを開けた。
「ご苦労様です」
「え…あ、あの。はい。すみません。ここ表札がなくて、宛名が合ってるか確認したいのですが」
「赤島です」
「お一人でお住まいですか?」
「それ、答える必要あります?」
「すみません…あの、男性、ですか?」
「…ふふ。お姉さん、僕が女に見えますか?」
女性は私が笑うと顔を赤らめ、「間違いでした」とそそくさと立ち去った。
「一難去った、かな?」
とりあえず、奴らが寝ていたのに感謝した。
五章 完