HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第19章 こたつと蜜柑と君がすき《国見 英》
「ねぇ国見ちゃん、今日はこれからお家行ってもいい?」
お願い、と手を合わせる俺の彼女の。
休日練習の午前練を終え、彼女との帰路での事。
が俺の事を、国見ちゃん、なんて呼ぶときは大概お願い事があるときなんだよな。
「別にいいけど、なんで」
「最近寒いでしょー?国見ちゃんの家ならもう、こたつ、あるかなって」
確かにここ最近の寒さで、我が家では先週こたつがデビューしたばかりなんだけど。
「あるけど‥。じゃあ、今から来る?」
「やったぁ!英、早く行こうよっ」
「はい、蜜柑しかないけど食べる?」
家に着くなり和室でこたつに体を吸い込ませたは至福の表情だ。
「おおっ、やっぱり冬は蜜柑だよね」
蜜柑を一つ受け取り、剥き始める。
俺もこたつに足を滑り込ませて蜜柑を剥く。
「‥金田一がさ、俺とは熟年夫婦の風格なんだって」
あいついわく、身に纏う雰囲気がそっくりで、阿吽の呼吸を感じるんだとか。
「そうなのかなぁー?私も英といて落ち着くし、二人でいて無言なのも心地いいな、って思うけど。夫婦ってこんな感じなのかもね」