HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第18章 スイートホリデー《縁下 力》
「はい、こっちが力の分ね?」
「ありがとう」
受け取ったシートには楽しそうに笑うと、少しぎこちない表情の俺。
「私これ、スマホに貼ってもいい??」
「じゃあ、俺もそうしようかな」
お揃いのシールを貼り付ける。
「嬉しい、力とずっと一緒にいるみたいだね…。」
スマホに貼られたシールを見つめて、本当に嬉しそうな笑みを浮かべる君。
いつも部活ばかりの俺を文句一つ言わず応援してくれる。どんなに辛い事があったって、君との時間が俺の支えになってるんだよ。
「そろそろ帰ろうか。またデートしよう、今日は楽しかったよ」
「うん。…ちょっと寂しいけどね、また明日学校でね?」
駅前で別れ、少し寂しそうな顔をしながらも手を振って背を向け歩き出した彼女。
「…」
その手を掴んで、引き寄せ、抱き寄せる。
「力?」
「…が好き、大好きだよ。」
「わ、私も。力が大好きだよ…」
そっと顔をあげて、初めてのキスをする。
君との初めてのキスは、優しい味がした。
「…初デートでキスなんて、力も案外ロマンチックだね」
「でもそれも、案外悪くないだろ?」
ちなみに後日、俺のスマホのプリクラを見つけた龍と西谷に、散々今日のことを聞かれたのは、また別の話…。