HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第15章 君と見たい景色《東峰 旭》
「寒いなー、雪降りそうだな」
「おぉ、春高までもう時間ないよなぁ、もうそんな時期だもんな」
寒空の下、部活後の汗をかいた体に外の冷気が容赦無く体温を奪う。
「じゃあ、今日は肉まん食って帰ろうぜ、スガ」
「お、いいね大地。旭も来るだろ?」
「悪い、今日は用事あるからさ、帰るわ」
ぱん、と顔の前で手を合わせて罰が悪そうに言った。
「え⁉︎旭さん、帰るんですか⁉︎一緒に行きましょうよ‼︎」
「悪いな、西谷、また今度…」
「分かった。また明日な、旭」
「おお、じゃあな皆」
部員の大半が見つめる中、寒空の下走って何処かへ向かって行った。
「…東峰さんが付き合わないのって、最近よくありますよね。」
観察眼の鋭い月島がふと尋ねた。
「たしかに、旭さん最近帰るの早いっすね、大地さん何か知ってるんすか?」
エースを慕う西谷が続いて問う。
大地と菅原はしばし目を合わせていたのち、観念したように言葉を発した。
「旭は、彼女のとこに行ったんだよ」
その一言ののちの部員の反応は言うまでもない…。