HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第11章 ✴︎出会いはお酒の味《灰羽リエーフ》
その日、俺は夜久さんのスパルタ練習をやっとこさ終えて月明かりが道を照らす帰り道を歩いていた。
「あ!そこのキミ!ちょっと待ってよ」
後ろから女の人の声がして、振り向こうとしたらそれより先に背中に何かがぶつかった。
「えっ、えっ?おねーさん誰ですか!?と言うか、大丈夫なんですか…!?」
ぶつかったのは綺麗なお姉さんで、ほのかにお酒の匂いがした。どうやら酔っているみたいだ。
「大丈夫ー!ねぇねぇ、私の家まで送ってよ、すぐそこだよ」
高いヒールに覚束ない足取りで、なんかほっとけないなぁ、と、はぁ、と返事をして彼女を送り届けることに。
「おねーさん、名前は?俺は灰羽リエーフです」
背中におねーさんを背負って言われたとうりに歩いていると、沈黙に耐えられなくて尋ねた。
「…。って呼んで、おねーさんは止めてよ」
「…さん。もう着きますから、起きててくださいね!」