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HQ‼︎ Language of love《短編集》R18

第38章 君の心は、目覚めるのか《赤葦 京治》(ギンさんリク)


「運命の相手、なんてよく言うけどさ。」

自分でも今から言おうとしていることがロマンチックすぎるとはわかっている。

「それって巨大な夜空の星々の中からひとつの特別な星を見つけるようなものなんだよ。そう簡単に見つからないように、運命の相手だってそうだ。」

「じゃあ、私の運命の相手はまだ出逢ってないのかなぁ?」

「そう‥?案外、直ぐ側に居たりして。見逃してるだけでさ」
ブランコの席を立ち、キィ、と鉄の鎖が軋む音がたった。
の目の前に立ち、座ったままのを見下ろす。

「‥チュ」
軽くリップ音をたてて、俺はの‥唇を奪った。

「そういう訳だから。‥の運命の相手、立候補させて貰うね。」
ポンポン、と優しく頭を撫でる。
「身体冷えてるでしょ、早く帰って暖めてよ。‥今夜は気まずいだろうから送るの我慢するけど、明日からは手加減しない。本気での彼氏の座、狙うね」

「‥わかった、お休みなさい」
「おやすみ、」

ブランコに軽く揺られる彼女を背に、家路につく。

「俺の告白、はどう出るか‥」
君の本当の恋心は、俺のキスで目覚めるだろうか。
あわよくば、おとぎ話の王子様になりたい。

寒さが身に染みる、そんな夜のプロローグ。

おしまい
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