HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第34章 冬のヒトコマ《菅原 孝支》(かすみさんリク)
「‥なんとなくさ、に会える気がしたから。なんて言ったら、引く?」
いつになく真剣な眼差しで私の瞳に視線を注ぐ孝支。その色素の薄い瞳に吸い込まれそうだ。
「私も、孝支にあえて、運命かも。なんて思ったって言ったら、引く?」
私も彼に、真っ直ぐ向き合う。
「雪が積もったらさ、なんかセンチメンタルになって。に会いたくて堪らなくなったんだ。
だから公園に来てみた。普通に会いに行けば簡単だけど、もし‥ここで会えたら運命だ、そう思って。」
そっと首を縦にふり、どちらからともなくキスをした。
相変わらず体も唇も冷たいけれど、なんだか心は温かい。
“運命”
口にするのは容易だけど、本当の意味なんてまだ分からない。
でもきっと、この心に感じるこれがそれなんだ、そう感じる。
寂しい冬空の下、センチメンタルも悪くない。
おしまい