HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第34章 冬のヒトコマ《菅原 孝支》(かすみさんリク)
「もー、何でこんなに寒いかなぁ‥」
お母さんに頼まれて、スーパーにお使いに行ったかえり道。
昨日、遂に積もった雪で道を踏むと雪の感触が伝わってくる。道理で寒い訳だなぁ。
「‥おーい、ー!」
「あれ‥孝支?」
右手の小さな公園のベンチに目をやると、真っ黒なジャージ姿で座り込む彼。
私の方に向かって大きく手を振っている。
ほんの少し、走るほどの距離じゃないけど、偶然にも孝支に会えたのが嬉しくなって、もしかして運命?なんて感じちゃって小走りで雪の地面を駆けた。
「走らなくても良かったべ?息上がってるよ、」
「なんか嬉しくなっちゃって」
孝支の顔は少し鼻先が赤くなってる。
どうして寒い日にこんな公園のベンチにいたのかな。
「‥。温かいけどさ‥恥ずかしいべ?」
「えっ!?‥あ」
私の手袋をした両手が彼の両頬を包んでいる。
「ごめんね、なんか寒そうだったからつい。」