• テキストサイズ

HQ‼︎ Language of love《短編集》R18

第32章 聞かなくたってわかってる《影山 飛雄》(かすみさんリク)


「これ、プレゼント‥です」
差し出されたのは大きな袋。可愛くラッピングまでされている。

「気に入らなかったら、捨てていいから」
「‥開けてもいい?」

照れ隠しのように手で口もとを覆って、ほんのり赤く染まった顔で頷いたのを確認して、青いリボンをほどいた。

「あ、かわいい。‥これ、飛雄くんに似てるかも」
出てきたのは両手に一杯になるほど大きなぬいぐるみ。濃い水色の鳥で、目つきがちょっと鋭くてそっくり。

ぎゅ、と思いきり抱きつくとふわふわで気持ちいい。
「ありがとう、大事にするよ?」
「‥俺に似てるとか、可愛くねぇだろ」

「そんな事ないもん、かわいい」

「‥それなら、俺がいないときはそれで寂しくねぇかもな。俺だと思って抱き締めてろよ」

うん、と返してぬいぐるみに顔を埋めた。

「おい、今は俺が、本物がいるだろうが。‥来い」
一瞬のうちにぬいぐるみは取り払われ、私のからだごと飛雄くんの胸に引き付けられた。

「あんまりそいつにばっか構ってると、俺が嫉妬する」
「へへ、嬉しくて」


ぬいぐるみの飛雄くんがいれば、もう寂しくないよ。もっともっと、飛雄くんのバレーも応援するね。

そして、この後玄関まで飛雄くんを見送ったあと、両親には質問責めにあったことは、言うまでもありませんでした…。
おしまい
/ 210ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp