HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第32章 聞かなくたってわかってる《影山 飛雄》(かすみさんリク)
授業と当番掃除を終えて、帰宅部の私は家へ帰ろうと机で荷物をまとめていたときのこと。
「さん、誕生日おめでとう。これ、俺と山口からね」
ずい、と目の前に差し出されたのは可愛くラッピングされたお菓子。
「わざわざありがと、月島くん。あと、山口くんも。」
別に、と顔を背けた月島くん。
「それよりさ、あいつからは何か無い訳?一応付き合ってるんでしょ」
「‥うん」
月島くんの言うあいつ、とは、私のお付き合いさせてもらっているお相手。影山飛雄。
「この前ね、私が飛雄くんに悪いこと言っちゃったから。それ以来話してなくて‥」
バレー部のレギュラーとして、全国大会を目指して練習している彼。私は彼の一生懸命で努力家なところに惹かれたんだ。
それなのに、飛雄くんがたまのデートの予定日にバレーの自主練を優先したことに腹をたててしまった。
「飛雄くんはバレーと私とのデート、どっちが大事なの」
そう、口走ってしまったんだ。