HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第30章 自信を探して《矢巾 秀》
「誰か偉い人も言ってた。自信と慢心は紙一重って。‥自分に才能も自信もないって思うことが、地道な努力に繋がるんだって。そんなものなのかな?」
延々と続くラリーのボールを受け止め、を見つめる。
「俺たちは天才じゃないんだから、自信なんて探しても見つからないのかもしれない。それでもバレーボールが好きで、うまくなりたい。だから、この悔しさも踏み台にしてやってくんだ。」
「なんか、かっこいい事言ってるよ、私たち」
「そうだな。また語ろうぜ、セッター同士さ」
昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り響き、俺たちはそれぞれの場所へと戻る。
目指すことはただひとつ同じ。バレーボールがもっと上手くなること。ただそれだけだ。
この時間が何かを劇的に変えたわけじゃあないけれど、この瞬間から、何か俺たちの気持ちは変わり始めている‥のかも。