HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第28章 その言葉の意味を教えて《木葉 明紀》
「ねぇねぇ、このクラスの男子だったらさ、誰が一番カッコいいと思う?」
「えー、どうだろう」
放課後、部活やバイトに向かったクラスメイトを見送り、親友と二人で誰もいない教室で女子トークを繰り広げる。
「わたしはねー、絶対○○くん‼でも彼女いるからなぁ」
親友が名前を挙げたのはクラスでも一二を争うほど顔の整った爽やか男子。サッカー部でマネージャーの女の子と付き合っているのと噂。
「相変わらず、○○くん人気は彼女ができても凄いよね」
あんなところが好きだとか、あれこれ彼を語る親友に適度に相打ちをうつ。
正直、私には誰がカッコいいだとか、好きだとか、良くわからない。それでもお付き合いやデートといったまるで少女漫画のようなことには憧れる。
‥いつかそんな男の子に出逢えるのかな。
「じゃあさ、は最近誰が気になるのよ?ついつい見ちゃうーとか、この人と一緒にいたいーってやつ」
一通り彼に関する話題は過ぎ去って、私に話が及んだ。恋愛トークが大好きな彼女にこの手の話に捕まると決して逃がしてはくれないことは、長い付き合いの中で悟った。