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HQ‼︎ Language of love《短編集》R18

第23章 放課後の唄声 《白布 賢二郎》


我が白鳥沢学園では、文化部、運動部問わず学園全体で部活動に力を入れている。放課後ともなれば校舎中で様々な部活動の声や音が響き渡る。

俺、白布賢二郎は入学してからこのかた、部活前に決まって通る廊下がある。

それは、第二音楽室前の廊下。

今日も授業を終え、足早にそこへと足を運ぶ。
「…聞こえる」

俺がこの廊下を通る理由。それは、第二音楽室から響き渡る女の子の唄声。美しいピアノの旋律に合わせ、俺の心を惹きつけるソロの唄声。
一体誰がこの声の主なのか、俺はまだ知らない。

入学このかた、俺は毎日、ここである選択に迫られる。

その1、音楽室の扉を開けて歌声の主と会う
その2、今日も我慢して部活へ向かう

結局は今日に至るまで毎回後者を選んできた。
どんな人なんだろうと気になる傍ら、知らない人に声を聞かれていたと知って、もう歌が聞けなくなることを恐れていた。

それだけ俺は彼女の唄声に、恋と似た感情を抱いていた。
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