• テキストサイズ

奈落の底から【BLEACH】

第3章 blue


暫くして私は自分の身体へと視線を落とした。
この綺麗にされた部屋にある、唯一の

‘汚れた者’

無数の傷を見れば見る程
怒りと憎悪、哀傷の渦に呑み込まれて行く。

こんなもの…っ!

無我夢中で全身の傷を消し、感情も消し去った。

もう歎かない。

私に残された道はこれしか無いんだ。

誰も私を惨めだとは思わない。
結局私は命令にしか従えない奴隷なんだ。

「……もう任務が来たのか」

窓からひらひらと入って来た地獄蝶を人差し指に停め
内容に耳を澄ます。

『巨大虚の出現を確認。直ちに三番隊と合流してください。』

三番隊と合同でという事は、零番隊としてではなく補佐。
相手はただの巨大虚。席官クラスの死神なら余裕な筈。

怪しい。

そう感じた私は合流地点へ急いだ。

近くまで瞬歩を使い、霊圧を殆ど消して後は徒歩。
私の姿を見るなり黄色い声があちらこちらから飛んでくる。
ざっと10人ぐらい。

「すげぇ・・・」
「俺今日頑張ろうかな」
「お前なんか誰も見ねぇよ」
「揉めんなって。。。」
「こんな美しい人初めて見た…」

(どうやら下位の死神達のようね…。)

霊圧が突然消えたのに気付いていない。
勉強不足だから私が元罪人だとも知らない御様子で。
両手の刺青を常に見えないようにしている事もあるけど。
何より一人一人の発する霊圧が少なすぎる。

これでは危険だ………。

「席官の人は?」

「えっ、きょ、今日は来ませんよっ!?」

「なぜ?」

「俺たちにも経験が必要だと言われて…」

「市丸隊長が言ったの?」

「そう聞いていますっ。」

‘そう聞いています’?

直接じゃないのか…?
一体誰が・・・
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp