第22章 mail
彩李との戦いから一週間が経った。
私は四番隊でしばらくの間治療をしてもらうことになった。
私の希望で詰所の人以外との面会は無しにしてもらっている。
寝ても覚めても体が重い。
頭の中は、彩李が最後に伝えたかったことは何だろう、ということばかり。
気分も沈んだまま浮き上がる見込みはない。
(ずっと、私は被害者だと思ってた…。誰かを苦しめていたなんて…どうしてわからなかったんだろう…。)
窓の外は私と正反対で真昼の雲ひとつない晴天。
清々しく心が晴れ渡る空だと言ったのは一体誰だろうか。
「雲雀さん、よろしいですか?」
「はい。」
右手の窓から左手の部屋の扉に目を向けて、卯ノ花が入って来るのを待つ。
卯ノ花はベッドから上半身を起こしている私に微笑み、ベッド横の椅子に座る。
「傷は治りましたが気分は優れませんか。」
「いつものことです。」
「雲雀さんは王族ですし、もう瀞霊廷から出ますか?」
「一度、家に戻ってみようとは思いますが、やはり私は瀞霊廷から離れられません。」
「どうしてですか?」
「私を作ってくれたのは紛れもなくこの瀞霊廷です…。
それにもう、帰る場所なんてありませんし。」