• テキストサイズ

奈落の底から【BLEACH】

第21章 please


「彩李…どうして私にあなたが犯人だって気付かせたの?」

証拠捏造の記録もそうだったが…今まで彩李が起こした事件は、完全犯罪ではなかった。

「雲雀なら…あ、たしを…」

彩李は私の目を見て…そっと瞼を閉じた。
その瞬間にも光る涙がこぼれ落ちた。

「彩李…?彩李っ!」

彩李の記憶を見ていた間の時間は、現実世界では一秒にも満たなかったらしく、結界を解いた死神達が私達の元に駆け寄ってくる。

私は不完全な台詞を残して眠りについた彩李を強く抱きしめた。

「ごめんっ…ごめんね…っ!」

枯れたと思っていた涙腺から涙が流れ出し、霊子となって消えて行く彩李を抱きしめ続けた。

「隊長…。」

隊長達、零番隊が先頭に立って私を取り囲み、彩李が完全に消えても地面にへばりついた私を、楓我が脇の下に腕を通して立ち上がらせる。

私は涙を袖で拭い、正面に立つ総隊長を見た。

「…皆さんにご迷惑をかけてしまってごめんなさい…。」

「なぜ隊長が謝って…!」

声を漏らした慶と死神達が見たのは、ボロボロの姿で深く頭を下げる、零番隊の隊長の姿だった。
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp