第19章 bright
「ぐっあア゙ア゙ー!」
巨大化したファントムはとてつもないパワーとスピードを秘めていた。私の瞬歩も敵わない。鬼道を当ててもすぐに回復され、全く通用しない。
「ハァ…ハァ…」
私は殴られ続けて悲鳴を上げる身体をもう動かす事ができなかった。とうとう私は地面に膝をつけ、トドメの一撃を静かに待つ事しかできなくなった。
全身から血を流して動かなくなった雲雀に向かって、結界の中の死神達が叫び声を上げる。もう既に治癒の力で深手を負っていた人も立てるまでに回復していた。
「隊長おおおおー!逃げろぉー!」
火傷が治って目を覚ました楓我が叫んだ瞬間、前から突進してきていたファントムの動きがピタリと止まった。
「あんたに最期をくれてあげるのは、このあたしよ。あんたは結局あたしに勝つどころか、仲間を護り通すこともできなかった…せいぜい後悔して死になさい!」
彩李が扇子を振った瞬間、私の上に無数の槍が現れた。
「嫌だ…隊長!死なないで…!」
純可の言葉も虚しく、雲雀の身体は一斉に落とされた槍によって串刺しにされてしまった。
「い…イヤァアーーーっ!!!」