第18章 mirror
「待って下さい!」
「俺達も一緒に戦います!」
私の後に続いて零番隊の四人が一番隊から出てくる。
「あなた達は私と共に来てはいけません。護廷の者と一緒に役目を真っ当しなさい。」
楓我が苦虫を噛み潰したような顔で、あることを告げた。
「隊長…俺達のこと、覚えていませんか?」
(覚えているか…?どういうこと?)
「僕達はあなたの背中を見て、死神を目指しました。あなたと共に戦えることを夢見て。」
慶の言葉に一つの記憶が脳裏に蘇る。
何年も前に、虚が瀞霊廷を襲撃した事件。
あの時確か、負傷していた三人の男子を治療した。
「私も、隊長に助けられなかったら死んでたかもしれなかったんです。」
流魂街の森にあった小屋にいた少女を、最上級大虚から守った。
「まさか…あの時の女の子と、男の子…。」
「その通りやで隊長…!俺ら長いこと隊長を追いかけてここまで来たんや。あの時の恩返しをするために…!」
私は胸が締め付けられるようだった。
こんな私を目標にしてくれて、こんな私と嫌な素振りを見せずに任務を遂行してきてくれた。
「俺、虚と戦っている隊長を初めて見た時、本当にドキドキが止まらなくて…ずっと、隊長のことを好きでいたんです!」
「楓我…ありがとう…。」
「僕達はもう覚悟はできています。零番隊として隊長の下で動ける事を知った時から、隊長をどこまでもお助けすると…。」
純可、楓我、大破が相次いで頷く。
「…隊長は、部下を護る義務があります…しかし、部下の意思を優先させる義務もあります。あなた達に命令を下します。」