第17章 power
次の日の朝、私は目覚めると同時に外の騒がしさに気がついた。
怪しく思い外に出ると、零番隊は隠密機動に包囲されていて、その周りには沢山の某観客がいた。
「これは…何の騒ぎ?」
私の向かいに立つ砕蜂に尋ねた。
「瀬越雲雀…昨夜何をしていた。」
滲み出る殺気を纏った砕蜂が鋭く私を睨みつける。
(昨日は四十六室…だけど言えない…。)
何も言えずに黙り込むと、砕蜂は重く口を開いた。
「十番隊六席、彰束彩李が何者かに斬られ、死亡した。傷口の形状が瀬越雲雀の斬魄刀とよく似ていたのだが…心当たりはあるのか。」
(彩李が死んだ…!?私が斬った…?まさか…)
私の中の本能的な部分が何かを訴える。
もう、この予感が違うだなんて否定はできない。
あの事件の犯人は、彩李だ…。
「てめぇさっさと答えろ!」
「俺達の仲間を殺しといて何だその態度は!」
「入隊祝いがもうすぐそこだっていうのに…っ!」
「白状しやがれこの糞野郎!」
あちこちから飛び交う野次に耳が痛くなる。
(落ち着くの…落ち着くのよ、まずは彩李の居場所を突き止めて話を聞かなきゃ…大丈夫、悪いことにはならない…。)
「彩李は今どこに?」
「四番隊だ。だがお前は立ち入れない。さぁ、早く質問に答えろ。」
しびれを切らしそうな砕蜂をまずはどうにかしなければならない。
どうしようかと悩んでいると、後ろから場に似合わない明るい声達が足早にやってきた。