第14章 sign
「僕達に任せてください!」
「隊長は心配しないで待っててくださいね!」
翌日のことだった。
零番隊に来た地獄蝶が告げたのは、流魂街に出現した虚の討伐の任務で、私が一人で行こうとすると四人に道を塞がれて「自分達に行かせろ」とお願いしてきた。
丁度四人がどんな仕事をするのか見てみたいとは思っていたのだが、流石に虚の討伐はお願いできない。現場で何が起きるのかなんて誰にも分からないのだ。
「絶対にダメです。それにこんなことをしている間に犠牲者が出ているのかもしれないのですよ。」
「俺達を信じでください!虚との戦いなんて何度もやってきました!」
「絶対負けへんから、ゆっくりしててください!」
大破が喋り終わるのと同時に四人は走り出し、瞬歩で空へと消えた。
「っ…!」
…行ってしまった。
追いかけようとした私の元にまた別の地獄蝶が飛んできて、十二番隊に向かうよう指示される。
私は、浮かんできた嘉宗達が死んでしまった時の光景を、振り払うように歩き出した。
「慶!なんか虚の数増えてるよね…!?」
虚の討伐に流魂街へ来た雲雀以外の四人は、異変を感じていた。出現地点へ近づくにつれて最初は一体だった霊圧が急速に増えている。
「これは何かありますね…。」
「気ィ引き締めて行かなあかんな!」
「お前ら無理はすんなよ!」