第10章 main
「こ、これは…完全に技術開発局の造り…。」
扉を開けるや否や、真っ直ぐにのびる一本の廊下の両壁に小部屋の入口が根のように綺麗に並んでいて、奥まで進むと左右に別れた道から階段があり、そこを上ればそれぞれの別棟に行くことができる。
ただ違うのは床がフローリングなこと。
「でもむっさ綺麗…ここら辺の部屋はあたしらのってことやんな?」
「恐らくそうだと思いますが…。」
ここまで来て会話が途切れる。
それは、それぞれがある思惑を持ち始めたからである。
「俺手前の部屋がいい!」
「そこは女子のあたしらが貰うんや!」
「そうそう!愛の言う通り!」
「それは聞き捨てなりませんね。」
「手前じゃないといけない理由は何なんだよ…。」
私達は顔を見合わせて火花を散らせた。
こういう戦いは結果女子が強い訳で、ああだこうだと言って男子三人をねじ伏せて部屋争奪戦に勝利したのであった。
私が獲得した一番手前の部屋は、つまり隊首室となる。
「わー。結構広いのね。これから正式に零番隊か…。」
こうして始まった零番隊生活。
次の日には尸魂界の霊圧を調節するための装置がやってきて、五人で虚を討伐しに行ったり他の隊のヘルプに向かったりの日常が始まった。