• テキストサイズ

希望を賭けた戦い The hopefight--.

第15章 もう一つの



「やだ……っ、かな、たが………し………しんじゃ……」


たどたどしい口調でいまいち掴めなかった。
壁に手をつき、膝から崩れていく。


「せ、千乃!」

心配してカンナが手を貸そうとする。


「私も馬鹿だけど……彼方も馬鹿だっ………一人で抱え込むんじゃねぇよ………ッ!!」


力無く、壁にもたれながら立ち上がると、ちょうど開けられたドアから千乃は出ていく。
すれちがうように、鷹比呂とハチマキをした女が入って来た。


「鷹比呂お前何してたんだよ!」
「すまん。この子呼んできた。もう大丈夫だ」

「ちょっと熱計りますね」


慣れた手つきで体温計を彼方の脇にさしこむ。
15秒くらいすると完了の合図がなった。


「………高熱、とだけ言っておきます」
「……」

この場にいた皆が何とも言えない気持ちになる。


「少し危ない状況ですね。まだ意識はあるみたいですし、薬飲ませますね。みなさん一回外に出てもらえますか?」


奏美の指示で夕顔団員の皆がぞろぞろ動きだし、出ていった。
/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp