希望を賭けた戦い The hopefight--.
第10章 慣れと戦法
「へぇ、海月ちゃんか」
「妹みたいな存在なんだ。可愛いだろ?」
春松と成瑚が、温泉に行くためにタオルを持参し廊下を歩く。
ちなみに、温泉とは、一階にある大浴場で、露天風呂とサウナもあるらしい。
「俺、温泉があるなら頑張れるわ」
「温泉愛だな」
二人して笑いを響かせながら浴場へと入る。
「…………あれ?」
成瑚が疑問を持った。
その理由は、通常男湯と女湯でのれんがかかっているはずが、それが見当たらない。
大きな入口が目の前に佇むだけだ。
「なんだこれ。混浴か?」
「まじかよ。恥いぞ」
まあ、女子はいないだろうと仮定した二人は、揃って入る。
ドアを開き、一瞬湯気で周りが見えなくなった。
しばらくしておさまったが、そこに見えたのは……。
「え」
「え」
「ん?」
金髪碧眼の少女。そう、まさしく今日の事件に深く関係している少女であった。
「うわああぁぁぁぁ!!?女の子いたぞっ!!」
「ちょおまどうすんだよ!!」
「あ、私平気なんで。落ち着いてくださ」
「「落ち着いてられるかっっっ!!!!!」」