• テキストサイズ

文芸部×チア部

第2章 Where am I?


「お邪魔します」

玄関でなんとなく奥に向かって挨拶する。

「あ、誰もいないんだ。今日」

彼が答える。

「そうなんだー」

私は平静を装って頷きつつ、やっぱり最初のほうの覚悟が必要かなって心の中で思う。

彼の部屋に案内される。

…………。

これは……。


パタン


ドアが閉まる音がする。

私は思わずビクッとなる。


この部屋…。

私の写真がいっぱい…。


まず少し大きく引き伸ばされた写真に目がいく。

「ふふ…これ? センターになって初めての通し練習のときだね。まだ少し表情がかたいところがたまらなくキュートだ」

……。

彼が上機嫌で説明する。

とにかく何かしゃべろう。私も。

「う…うまく撮れてるね…。もしかして写真部の人にもらったとか?」

「ううん。僕が撮ったんだよ。全部ね」

彼がにっこり微笑む。

「こ、この衣装…。わたしが1年ときだね…。これも?」

私は1年のときの私の写真を指差して尋ねる。

「もちろん。僕はずっと前から君に夢中なんだ」

……。

まあ…チアやってたら写真なんて撮られなれてるけど…。

こんなふうにたくさん部屋に貼られてると…恥ずかしい…。

というか

気持ち悪い…。

/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp