第2章 Where am I?
翌朝、私は逢坂くんと登校する。
彼がわざわざ家の近くまで迎えに来てくれたから。
これから毎朝迎えに来てくれるって。
すっごく優しいの。大好き。
…
正門の近くでチア部の1年2人組が私たちを小走りで抜かして、振り返って立ち止まり
「おはようございます」
って挨拶した。
私は飛び切りの笑顔で
「おはよう」
って挨拶を返した。
1年の子たちは小声でキャッキャ言いながら、また小走りで去っていった。
「クスッ。あの子たち、わたしがどんな彼氏連れてるのか見たかったんだよ。きっと」
私は逢坂くんの顔を見て笑う。
「え…。僕なんかで…ガッカリさせてしまったんじゃないだろうか…」
彼がちょっと困った顔になる。
「自慢の彼氏だよ」
私がそう言うと、彼は少し恥ずかしそうに笑った。
…
朝、教室に入ってから、休み時間も。
なんか気まずくて、ユキと話せなかった。
向こうも話しかけてこなかったし。
私は自分の席で、逢坂くんに借りた本を読んで過ごした。
お昼休み。
お弁当はどうしようかな…。
屋上で1人で食べるか…逢坂くんの教室に行ってみようか…。
考えていると、机の横にユキが立った。
私はちょっと見上げる。
「ナコ、お昼も彼氏と食べるの?」
「え…いや、どうしようかなって…」
私は正直に答える。
「彼氏が出来たからって急に一日中ベタベタするのってダサいよ。
お昼ぐらい、うちらと食べたほうがいいんじゃない?」
ユキが言った。
「うん。そうする」
私は返事した。嬉しかった。