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文芸部×チア部

第2章 Where am I?


放課後、部活に行く準備をしてユキに声をかける。

「ユキ、準備できた? 行こう」

ユキはちょっとだけ不機嫌そうに私の顔を見る。

「もうすぐリカとマユ来るからちょっと待ってて」

「……?」

リカとマユがうちの教室に来るの?

なんか話? 部室ですればいいんじゃ…?

リカとマユが来る。

ユキが口を開く。

「ナコ…。昼休みに会ってた男…どういう関係?」

あっ……。

見られた…のかな…。

「なんか怪しいからコッソリついていったら、屋上で男と会ってるなんて…。私たちに内緒で」

ついてきてたんだ…。

気づかなかった。

とりあえず答えよう。

「どういう関係って…。とりあえず今のとこは…メル友? かな?」

「ただの友達ってこと? 付き合うとか…ないよね?」

私は付き合いたいと思ってるけど…答えにくくてちょっと黙る。

「友達だとしてもさぁ、わざわざ2人で会ったりしないほうがいいよ?
ナコ、せっかく桃越先輩と上手くいきそうなのに、変な噂でもたてられたりしたら…」

「そうだよ。よりによってあんなダサい男…。チア部の1年に知られたらみんなモチベ下がるよ。
センターなのにあの程度の男としか付き合えないんだって」

「文芸部らしいよ…。ありえなくない?
ナコ、もう少しセンターの自覚持ってよ。
あんたはチア部の顔なんだよ。
学園の女子の頂点なんだよ」

みんなが口ぐちに勝手なこと言う。

「…うるさい」

私はつぶやく。

「チア部の顔とか関係ない。
わたしはわたしなの!
わたしが好きになる人はわたしが決める。
みんなに否定される筋合いない…」

私の話を聞いたユキが優しく微笑む。

「友達が明らかに違う方向に行ってるのを放っておけないよ…。
ナコ、男に慣れてないから変なのに引っかかっちゃうんだよ。
私たちがちゃんと選んであげる」

リカとマユも笑顔で頷く。


わたしの進む方向ってどこなの?

わたしはどこにいるの?


私はとりあえずその場から黙って逃げ出した。
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