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文芸部×チア部

第2章 Where am I?


しばらく何日間かラインでいろいろメッセをやり取りした。

逢坂くんは文芸部だということがわかった。

送信「だから、あんなに素敵な手紙が書けるんだね」

返信「違うよ。君が素敵だからだよ」

スマホの前でかなりにやけた。

面と向かって言われなくてよかった。

ただでさえ話すの苦手なのに、あんなこと言われたら、私どうなっちゃうんだろう。

でも、さすがに彼も面と向かってはこんなこと言わないかな?

でも、言われてみたい…。

私は机の中から今まで彼にもらった手紙を取り出す。

この素敵な言葉を、彼の声で聞いてみたい…いつか。

……

ある日の昼休み。

お弁当を食べ終わった私は、鏡を出してリップを塗る。

ついでに髪型もなんとなくチェックして…前髪を整える。

「ナコ、図書館へ行くのにおめかし?」

ユキに尋ねられる。

「え……。いや、ううん。最近ね、図書館なんか乾燥してるから…あはは」

なんとなく笑う。

「ふーん」

ユキが頷く。

……

焦った。

ユキ、勘がいいから何か気づかれたかと思ったけど、上手く誤魔化せた。

私は屋上へ向かう。

逢坂くんは先に来て待っていてくれた。

「お待たせ!」

「ううん。僕も今、来たところだよ」

私は逢坂くんの隣にそっと座る。スカートの裾をちょっと気にして。

「これ…。ジュースを買ってきたんだけど、よかったら飲む?」

彼がジュースを差し出してくれる。

「あ、このジュース。わたし好きなの」

「本当? 僕の好きなのを買ってきたんだけど…よかった」

彼がホッとした感じで微笑む。

「逢坂くんもこれ好きなの? 偶然だね! なんだか…嬉しいな」

「ふふっ」

私たちはジュースを飲みながらおしゃべりする。

会って、ゆっくり話をするのは今日が初めて。

私はもっと緊張するかと思ったけど、結構平気だった。

というよりも、すごく楽しかった。
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