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女の私の憂鬱 《黄瀬涼太》

第5章 クリスマスデート


「いや…白金って他の金属より高いって思ったんだ、俺、そんな金持ってきてないし」

「大丈夫っスよ、俺が払うっスから」

「え!?それは…」

「すいませーん、指のサイズ測ってくれますか?」

椿っちの言葉を無視して店員を呼ぶ。ここは俺が払うって決めたんスよ…大丈夫な2人のリングだから…。スーツを着た背の高い男性が寄ってきて、ご用意でしょうか?と笑顔で質問をしてくる。

「俺と彼女の指のサイズを測って欲しいんスよ」

「かしこまりました、こちらに」

男性店員に案内されてそれぞれ個室に案内される。サイズはほんのすこしの時間で終わり、椿っちが欲しいと言っていた白金のリングを買った。

「ほ、本当に良かったのか?」

「何回聞くんスか~これで10回くらい聞いてるっスよ?」

「む…/////」

「はめてみるといいっスよ」

「あぁ…じゃあ」

椿っちはケースから輝くリングを慎重に取り出し、ゆっくりとした動作で左手の薬指にはめた。それを確認して、俺もはめる。それぞれの薬指で綺麗にリングが輝いていた。

「わぁ…///」

自分の薬指で輝くリングを見て感嘆の声をあげる椿っち。その綺麗な手をそっと掴み、自分の唇に近づけてリングに口付けを落とす。

「な…なに…////」

「仮の誓いのキスっスよ、本物のは…また後っスね」

「良くそんな恥ずかしい事が出来るな…///」
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